冷水としゃかい、巻き込まれるこども
起床。雨のノイズで目が覚めた。
僕はそんなノイズを打ち消すように洗面台で激しく冷水を顔にぶつけた、意識がはっきりしていくのがわかる。
現実に引き戻される。
冷水はこの世のものとは思えないほど冷酷に思えた。
人間の惰性とは恐ろしい、無意識にテレビをつけた僕に真っ先に飛び込んできたニュースがあった。
9月1日に子供の自殺が1番多い事に対しての樹木希林さんのメッセージのニュースだった。
https://futoko.publishers.fm/article/9204/
夏の終わりを感じた。
言いたいことは僕でも理解することはそう難しいものでは無かった。
自由に新しい世界を見れるなら、新しい世界で生きることを恐れないならば、社会から外れるそんな勇気があるのなら。
僕はそんな気持ちを持てる子達が自殺するとは思わない。
本当に自殺するのは誰からも縛られ、衆人環視にあいながら、社会から逃げる事を許されてない子供達。
でもそんな子供達が悪いわけない。
抑圧してるのは”おとな”なのだから。
その集合体である”しゃかい”なのだから。
少し喉が渇いた、冷水は僕の体に染み渡った。
この世のものとは思えないほど悲しい味がした。
僕の知らない所で悲しむ人の深い藍の味がしたんだ。